歯の病気を甘く見ては駄目!
歯の病気を軽く見ている方は少なくありません。
内蔵系の疾患では大騒ぎするのですが、虫歯では痛くなってから騒ぐ程度で、「たかが虫歯」と思っている方が多いのではないでしょうか。
虫歯や歯周病は、そのまま治療せずにいると、歯を失ってしまうばかりか、思いもしなかった病気になってしまうことがあります。
歯性上顎洞炎も、そんな病気の一つなのです。
歯性上顎洞炎というのは、上歯が虫歯や歯周病になって、口の中の悪玉の細菌が、上アゴにある上顎洞に入り込んで炎症を起こす病気のことです。
歯性上顎洞炎は鼻と眼に症状がでる「歯の病気」です
症状としては、急に鼻汁が出る、鼻炎の症状が現れる、眼に痛みを覚えるなど鼻と眼に症状が出ます。
原因は、虫歯や歯周病が発端となった細菌による炎症なのですが、通常の虫歯や歯周病では、上顎洞の炎症になることはありません。相当の期間、放置することによって、上顎洞に細菌が入り込んできますので、虫歯、歯周病ともに末期に現れる症状です。
問題は、症状の現れ方が鼻や眼にきますので、どうしても最初に耳鼻科や眼科を受診してしまって根本的な治療を受けないことです。
虫歯や歯周病を自覚していて、それが上の歯や歯茎で見られる場合は、歯科での受診をまず第一に考えるべきでしょう。
虫歯、歯周病の早期治療が歯性上顎洞炎の予防に不可欠
治療法は感染の源である虫歯や歯周病の治療がまず優先されます。
鼻汁がひどい場合は、対症療法的に上顎洞の膿を取り除くことになりますが、根本的な治療にはなりません。
また、歯性上顎洞症は、虫歯や歯周病の末期に現れる症状ですので、虫歯や歯周病がすでに治療不可になっているケースもあります。
こうしたケースでは抜歯や、外科的な処置によって、炎症を解消するということも少なくないのです。
いすれにしても、こうした事態にならないために、虫歯や歯周病を自覚したら、ただちに受診することが必要です。